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公明党
代表
山口
那津男
様
要
望
書
福島県いわき市長
- 2 -
【重点要望項目】
1 被災地の復興に向けた支援制度の構築・拡充について・・・・・・P1
2 地域医療等の充実について・・・・・・・・・・・・・・・・・・P2
3 放射性物質汚染対処特別措置法に基づく指定廃棄物等の
処理の促進について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P3
4 雇用対策の拡充について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P4
【要望項目】
1
原子力災害対応について
⑴ 東京電力㈱福島第一・第二原子力発電所の廃炉に向けた取り組み
及び確実な安全対策について・・・・・・・・・・・・・・・・・P5
⑵ 除染対策について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6
⑶ 福島第一原子力発電所災害に関する適正な賠償の実施について・P7
⑷ 風評被害の払拭について・・・・・・・・・・・・・・・・・・P8
⑸ 原発事故により被災した子どもたちに対する支援について・・・P9
2
本市の基幹的な社会基盤の整備について
⑴ 福島県浜通り地域の復興を支える一般国道6号・49 号の整備
促進(一般国道6号勿来バイパスの新規事業化を含む)について・・P10
⑵ 常磐自動車道の早期仙台延伸について・・・・・・・・・・・・P10
⑶ 重要港湾小名浜港と常磐自動車道を直結する(仮称)
小名浜道路の早期整備等について・・・・・・・・・・・・・・・P11
⑷ 産業復興を支える国際バルク戦略港湾・小名浜港の
整備促進について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P12 ⑸ 小名浜港周辺地区の一体的な再生・整備について・・・・・・・・P12
3
被災地域の支援について
⑴ 洋上風力発電の促進について・・・・・・・・・・・・・・・・P13
⑵ 漁業再開に向けた支援等について・・・・・・・・・・・・・・P14
⑶ 学校給食共同調理場への対応について・・・・・・・・・・・・P14
⑷ 低炭素社会対応型浄化槽等集中導入事業の対象拡充について・・P15
⑸ 介護保険事業に対する財政支援について・・・・・・・・・・・P15
⑹ 津波被災地域の住民の定着促進のための震災復興特別交付税の
取扱いについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P16
1
1
被災地の復興に向けた支援制度の構築・拡充について
東日本大震災は、大地震、大津波そして原子力発電所事故が重な
った世界に類を見ない複合災害として、本市に甚大な被害をもたら
しました。
現在、その復旧・復興に向けて懸命に取り組んでいるところであ
りますが、復興交付金制度につきましては、主に津波被災地域等の
面的な被害を受けた地域を対象としており、また、災害時に中心的
な役割を果たす庁舎の耐震化についても、活用が難しい状況にある
など、被災地が抱える課題への対応が不十分であると認識しており
ます。
つきましては、復興交付金の柔軟な活用を可能とするなど、被災
地の一日も早い復興を実現できるよう、次の項目について要望いた
します。
①
東日本大震災により、甚大な被害を受けた被災地の復興に資
する、復興交付金の柔軟な運用(被災地域の実態に即した事業
費枠の拡充)
②
被災地での安全・安心を確保するため、庁舎など必要な社会
資本や公共施設の耐震化、高度化等に向けた新たな支援制度の
構築
2
2
地域医療等の充実について
いわき医療圏においては、東日本大震災以前から慢性的な医師不
足の状況にあり、これに加え、福島第一原子力発電所事故に起因す
る原子力災害の影響により、新たな医師の招へいや医療従事者の確
保が困難となるなど、本市における医師や医療従事者の不足は深刻
な状況となっております。
更に、
双葉郡などから約 24,000 人の方が本市に避難しているため、
仮設住宅周辺の医療機関においては、外来件数の増加により待ち時
間が長くなるなどの影響が生じており、市民への影響や医師の負担
が過重になるなど医療提供体制の再構築が急務となっております。
また、放射線による健康被害を懸念する市民も見受けられるところ
であります。
このような状況の中、今後のいわき医療圏における地域医療の充
実・強化に向け、次の項目について要望いたします。
①
特に浜通り地方における中核病院としての役割を担う本市新
病院建設事業について、復興事業の本格化に伴う事業期間の長
期化や事業費増を見越した地域医療再生基金事業の期間延長及
び更なる基金積み増し
②
早期に効果的な医師招へい・医療従事者の確保対策の実施
③
放射線医学に関する調査研究・最先端医療を担う関係機関等
の本市への誘致
3
3
放射性物質汚染対処特別措置法に基づく指定廃棄物等の処理
の促進について
本市の一般廃棄物焼却処理施設から発生する飛灰の放射能濃度は、
原発事故直後は2万 Bq/kg を超えておりましたが、
平成 24 年8月以
降は 8,000Bq/kg を下回る状況となっております。
8,000Bq/kg を超える廃棄物については、
放射性物質汚染対処特別
措置法により、指定廃棄物として国の責任で処理することとなって
おりますが、今もなお施設内において一時保管を行っております。
また、
8,000Bq/kg 以下の廃棄物については自治体等が処理するこ
ととなりますが、事業者や埋立処分場周辺住民の放射能に対する不
安が根強く、処理ができない状況となっております。
このため、施設内における一時保管を余儀なくされており、その
スペースも限界に達しつつあるため、このままでは家庭等から出さ
れる一般廃棄物の処理に支障をきたす恐れがあります。
現在、施設外に新たな保管場所の確保に努めておりますが、住民
の放射性物質に対する不安や国の処理の見通しが不透明で長期間の
保管を余儀なくされるとの懸念により、その選定は困難を極めてお
りますことから、次の項目について要望いたします。
①
中間貯蔵施設の早期設置とともに、国による指定廃棄物の処
理の開始時期を具体的な根拠を示しながら公表すること。
②
施設外の一時保管場所の確保に向けて、放射性物質に対する
住民の不安の解消を図ること。
③
指定廃棄物以外の飛灰の円滑な処理に向けて、国の責任にお
いて、確実な処分の推進体制を早急に確保すること。
4
4
雇用対策の拡充について
本市における雇用情勢については、有効求人倍率が震災直前の平
成 23 年2月末時点では、
0.67 倍であったものが、
震災からの復旧・
復興需要等により、
平成 25 年5月末時点では、
1.26 倍になるなど、
平成 24 年7月以降、
有効求人倍率が1倍を上回る状況が続いており
ます。
また、
平成 25 年3月高校卒業者については、
就職決定率が 99.4%
で、県内留保率も 69.9%であり、いずれも震災前を超える水準とな
っております。
しかしながら、有効求人倍率については、復旧・復興需要に基づ
く一時的なものであり、長期的・継続的な雇用の確保を図るために
は、被災等により雇用の維持・確保に苦慮している事業所等へのさ
らなる支援が必要であると考えられます。
また、
双葉郡などから、
約 24,000 人の避難者を受け入れていると
いう特別の事情があり、これらの方も含めての雇用の創出も必要と
なっております。
さらには、本市復興のためには、将来を担う若者の地元定着を促
進することや、職場定着率を高めることが重要であります。
ついては、長期的・継続的な雇用の確保・創出を図るため、複数
年実施可能な緊急雇用創出基金事業や、事業所に対する助成制度の
拡 充 、 避 難 さ れ て い る 方 も 対 象 と し た 本 市 に お け る 雇 用 機 会 の 創
出・拡大するための効果的対策の実施、さらには、地元定着を図る
ための、在学時からの地域で働く意識醸成への取り組みや、新規就
業者にかかる研修の実施等への助成など、各種支援策の拡充・構築
について要望いたします。
5
1
原子力災害対応について
⑴ 東京電力㈱福島第一・第二原子力発電所の廃炉に向けた取り組み
及び確実な安全対策について
東京電力㈱福島第一原子力 発電所事故 については、これまでも再 三にわ
たり、一刻も早い収束と福島第一 原発 1~4号機のみならず、県内すべ て
の原発の廃炉を強く求めて参りました。
また、数十年に及ぶ廃炉作業期間中、多くの市民が不安を抱えたままの生
活を強いられることから、例えば、原子炉格納容器から燃料棒を取り出し、
区域外に保管するなど、原子力政策を 推進してきた国及び事故の原因者で
ある東京電力㈱の責任において、確実 な安全対策を講じるよう強く求めて
きたところであります。
しかしながら、本年3月の冷却シ ステム停止、4月の地下貯水槽からの
汚染水漏えいなど相次ぐトラブルに 加 え、地下水バイパス計画の説明不 足
等による市民の不安は増す一方であります。
本市では、福島第一原発事故の影響により市外に避難している 2,572 世
帯に対しアンケートを行っておりま す が、昨年度のアンケートでは「い わ
き市に戻る上での課題」として、約67%が「事故の収束」を挙げており、ま
た、そのうち51%が、収束の段階を「廃炉が完了したとき」と回答しており
ます。
このように、頻発するトラブル等 は、市民はもとより市外で生活されて
いる方々の帰還にも大きく影響を及 ぼ すものであり、事故の収束作業が 安
定しない状況に対しては、強い危機感を抱いております。
このことから、改めて国及び東京 電力㈱の責任において、これまでにも
増してしっかりとした対応をされる よ う、次の項目について強く要望い た
します。
① 「福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロ
ードマップ」に基づく万全な体制での着実な取り組み及び分かりやす
い情報提供
② 福島第一原子力発電所5・6号機及び福島第二原子力発電所の廃炉
に向けた取り組みの推進と当面の確実な安全対策
6
⑵ 除染対策について
放射性物質汚染対処特別措置法(以下「特措法」)では、国は、これまで
原子力政策を推進してきた社会的 責任 に鑑み、事故由来放射性物質によ る
環境汚染への対処に関し、必要な措置を講ずるとしております。
しかしながら、本市のよう に国直轄で はなく、市域全体が除染対 象区域
とならない「汚染状況重点調査地 域」 においては、実施主体が市町村と さ
れているばかりか、農地や山林を 含め 地域の実情に即した除染方法の確 立
や仮置場設置も含めて、責任主体である国の関わり、連携も不十分であり、
人的支援もなく、いわば市町村任せの状況となっております。
これに対し国の見解は、『地域の実情をよくご存知の市町村を中心に、除
染の推進、また、仮置場を確保い ただ かざるを得ない』とのことであり ま
すが、警戒区域等の除染特別地域 は、 地域の実情を知らない国が直轄で 行
っていることから、「汚染状況重点調査地域」においても積極的な対応はで
きるものと考えております。
また、エリアの平均が毎時0.23マイクロシーベルト未満の除染対象区域
外において、局所的に高い線量と なっ ているいわゆるホットスポット除 染
にかかる土壌は、特措法に基づく 除去 土壌ではないことから、国におい て
処分方法等が未だ示されておりま せん 。また、同様にホットスポット除 染
にかかる廃棄物は、国で処理する8,000Bq/kg を超えない限り中間貯蔵施設
への受け入れは不可とされており 、か つ特措法に定める仮置場の造成費 用
の財政的支援も認められておらず 、現 状では現場保管とならざるを得な い
状況にあります。
このほか、ゴルフ場等の大 規模事業所 については、広大かつ様々 な自然
条件が混在する施設であることか ら、 除染方法も明確ではなく、市町村 の
単独実施も困難であり、これまで も国 の直轄実施を含め具体的な手法の 確
立を求めてきました。
さらに、市町村が除染を実 施する前に 個人又は事業者が自ら実施 した除
染に係る費用や除染で生じた廃棄 物の 取り扱い等について、本年5月に 賠
償の対象とする方向で、基準の検 討に 着手するとのことでしたが、未だ 決
定はなされておりません。
除染は、市町村においては 相当な業務 負担となっていること及び 方針が
決定していない事項への対応にも 苦慮 していることを踏まえ、次の項目 に
7
① 市町村が必要と認めるホット スポット(低線量の地域の中で局所的
に線量が高い箇所等) 除染に伴い発生 した土壌の、国の責任 における
処理の明確化及び 8,000Bq/kg以下の廃棄物の、処分費用に対する国の
財政措置及び国の責任による中間貯蔵施設への搬入
② 仮置場設置に係る国の積極的な対応
(国自らの仮置場設置及び国の責任による住民理解の促進)
③ 市町村業務負担の軽減
(除染技術の提供や職員派遣はもとより、除染対象地域全域に係る国
の直轄実施など)
④ 大規模事業所等に係る具体的な除染手法の確立及び国の直轄実施
⑤ 個人等が自ら除染した費用や廃棄物に対する賠償基準の早期決定
⑶ 福島第一原子力発電所災害に関する適正な賠償の実施について
本市の市民や事業者は、事 故が収束し ていない状況の中、不安を 抱えな
がら生活や事業活動を行っており 、そ の精神的な苦痛や風評被害などの 間
接被害に伴う営業損害は計り知れないものがあります。
一方で、放射線への不安な どから、自 主的に市外に避難し、心な らずも
家族が離れ離れに生活せざるを得ない家庭が少なくありません。
このような、被害者である 全ての市民 や事業所を対象として、迅 速かつ
適正な賠償が行われるよう、本市 にと って切実な課題である次の5項目 と
併せて、責任をもって対応されるよう強く要望いたします。
① 本市 30㎞圏内「旧屋内退避区域」と「旧緊急時避難準備区域」にお
ける避難指示区域解除後の賠償対象期間の公平な取り扱い
② 自主的避難等対象区域に係る賠償期間の延長等の適正な賠償
③ 本市30㎞圏内「旧屋内退避区域」に係る財物賠償の早期決定
④ 損害賠償請求権の消滅時効を適用除外とする特別立法の措置
8
⑷ 風評被害の払拭について
福島第一原子力発電所災害 に伴う風評 被害は、今もなお本市に深 刻な影
響を及ぼしております。
このことから、国において はモニタリ ング体制の維持・充実を図 りなが
ら、地域の安全性に係る正確な情 報を 積極的に発信するとともに、本市 で
生産された農林水産物や商工業品 に係 る放射性物質検査体制の構築や積 極
的なPRなど、地域と連携した取組みを推進されるよう要望いたします。
また、本市はこれまで風評 被害を払拭 し、交流人口の回復を目指 したP
R事業を実施してきたところであ りま すが、観光交流人口の回復、とり わ
け風評により落ち込んでいるファ ミリ ー層の獲得のため、本地域を訪れ る
観光客を対象とした高速道路料金 の大 幅割引措置など、誘客促進策を講 じ
られるよう要望いたします。
さらに、国際的な風評被害の払拭を図るためにも、平成27年度に予定さ
れている「第7回太平洋・島サミ ット 」が「いわき」で開催できるよう 、
また、観光交流の促進につながる よう な国際的な会議等が開催できるよ う
9
⑸ 原発事故により被災した子どもたちに対する支援について
「東京電力原子力事故により被災した 子どもをはじめとする住民等の生
活を守り支えるための被災者の生活支 援等に関する施策の推進に関する法
律」が第 180 回通常国会において成立し、本市を含む被災自治体の市民生
活を守り支えるための施策が推進され るものと期待しているところであり
ます。
本年3月15 日、国において、本法律の趣旨に基づき実施する具体的施策
をまとめた「原子力災害による被災者 支援施策パッケージ」が公表された
ところでありますが、本法律の基本方 針、支援対象地域の範囲、医療費減
免の内容とその対象、地域の意見反映 のプロセス等については、未だ具体
化されていない状況にあります。
このことから、早期に基本方針を策定 するとともに、本市全域が支援対
象地域の指定を受け、被災した子ども をはじめとする全市民が適正に支援
を享受できるよう強く要望いたします。
また、本市では、原発事故に伴う放 射性物質に対する不安から、児童 等
の運動や自然に触れ合う機会が減 少し ており、肥満傾向やストレスの蓄 積
等が懸念されているほか、保護者 の不 安等に対して、専門的な知識や適 切
な助言等を行うことができる相談体制の構築が求められております。
このことから、本市では、 市内の保育 所及び幼稚園において、放 射性物
質に不安を抱く保護者に対して相 談・ 助言等を行うとともに、子どもた ち
の運動機会を増やすための事業を 実施 することといたしましたが、保育 所
については、国において積み増し され た福島県安心こども基金の財源措 置
があるものの、幼稚園については財政的な支援がありません。
つきましては、被災地の子 どもたちが 置かれた状況を十分に斟酌 してい
ただき、幼稚園において行う事業 に対 しても、特段の財政支援が講じら れ
10
2 本市の基幹的な社会基盤の整備について
⑴ 福島県浜通り地域の復興を支える一般国道6号・49 号の整備
促進(一般国道6号勿来バイパスの新規事業化を含む)について
今後再び、東日本大震災と同規模の津 波等による災害が生じても、市民
が安全・安心に避難できるよう、福島 県と茨城県を結び広域避難道路の役
割を担う一般国道6号勿来バイパスの新規事業化を強く要望いたします。
また、本市の主要幹線道路である一般 国道6号常磐バイパス、一般国道
6号久之浜バイパス及び一般国道49 号平バイパス・北好間改良事業等の直
轄国道バイパスは、本県浜通り地域の 復興再生を支える極めて重要な主要
幹線道路でありますので、さらなる整 備促進に向けて、予算の拡充が図ら
れるよう要望いたします。
⑵ 常磐自動車道の早期仙台延伸について
常磐自動車道は、首都圏と太平洋沿岸 地域の産業・経済・文化などの発
展と地域住民の福祉の向上を実現する ための重要な高速自動車国道であり
ます。
東日本大震災において、常磐自動車道 は、本県浜通り南部地域の住民の
避難や災害応急対策に必要な人員、物 資などの輸送路として重要な役割を
果たしたところであります。
今後、本市が南東北の拠点都市として他地域との交流拡大を図りながら、
震災からの早期復興を遂げるためにも 、常磐自動車道の早期仙台延伸が図
11
⑶ 重 要 港 湾 小 名 浜 港 と 常 磐 自 動 車 道 を 直 結 す る ( 仮 称 ) 小 名 浜 道 路 の
早期整備等について
小名浜港周辺では、本市復興のシンボ ルとして、大型商業施設を含む新
たな交流拠点の整備が予定されており 、既設の環境水族館「アクアマリン
ふくしま」などの観光交流施設と相俟 って、さらなる集客が見込まれてお
ります。
また、重要港湾小名浜港は、立ち遅れ ている避難解除区域等の復興事業
の最前線基地として、今後、貨物流通量の増大が見込まれるところであり、
広域的な物流機能の強化が求められているところであります。
しかしながら、高速自動車国道等の主 要幹線道路から、小名浜港周辺へ
アクセスする道路では、市街地部にお いて渋滞が発生するなど、定時性の
面において大きな課題を抱えており、 アクセス性の向上に寄与する道路整
備が望まれております。
つきましては、小名浜港周辺地区の観 光交流人口の増大、重要港湾小名
浜港を拠点とした広域的な物流機能の 強化、さらには、本市の復興はもと
より、避難解除区域等の復興再生を支 援する道路として、福島県が「戦略
的道路」として位置付けた重要港湾小名浜港と常磐自動車道を直結する(仮
称)小名浜道路の早期整備並びに一般国道399 号、主要地方道小野富岡線、
12
⑷ 産業復興を支える国際バルク戦略港湾・小名浜港の整備促進について
小名浜港は、本市はもとより南東北の 産業経済を支える国際物流拠点と
して、更には東日本地域の電力供給を 支える石炭の国際バルク戦略港湾と
して、これまでにも増して重要な役割を果たすことが求められております。
本市が震災からの早期復興を図るため には、小名浜港を活用した産業の
集積とあわせて港湾機能の強化が喫緊の課題となっております。
つきましては、現在整備が進められて いる東港地区において、大水深の
耐震強化岸壁等の早期整備とともに、 高効率の荷さばき施設の設置促進等
に向けた特定貨物輸入拠点港湾への指 定、さらには、再生可能エネルギー
を核とした産業集積につながるような 港湾機能の拡大など、なお一層の整
備促進が図られるよう要望いたします。
また、小名浜港1・2号ふ 頭地区アク アマリンパークは県内でも 有数の
観光地であり、これまでも客船入 港時 には大きな賑わいが創出されたと こ
ろであります。震災以降減少した 観光 交流人口の拡大と更なる賑わい創 出
のため、客船入港のための新たな航路整備についても要望いたします。
⑸ 小名浜港周辺地区の一体的な再生・整備について
重要港湾小名浜港周辺地区は、東日本大震災により被害を受けましたが、
小名浜港アクアマリンパークや小名浜 港背後地等を含む周辺地区の一体的
な再生・整備は、いわき市において復 興のシンボルとして位置づけ、物流
の拠点として港の再生はもとより産業 ・観光振興の拠点として、早期完成
を目指しているところであり、完成の 暁には、本市のみならず福島県、ひ
いては日本全体の震災復興のシンボルになるものと期待しております。
本市においては、この再生・整備に向 けて、小名浜港背後地震災復興土
地区画整理事業並びに津波復興拠点整 備事業に係る復興交付金の採択をい
ただき、防災機能を有する新たな都市 拠点の整備に取り組んでいるところ
であります。
今後とも、当該地区の一体的な再生・ 整備に向けた多様な動向を踏まえ
ていただき、国における積極的な施策 展開が図られますよう要望いたしま
13
3 被災地域の支援について
⑴ 洋上風力発電の促進について
本市では、市復興ビジョン に「原子力 災害を克服するとともに、 再生可
能エネルギーの導入を推進し、原 子力 発電に依存しない社会を目指す」 こ
とを掲げ、この実現に挑戦しております。
また、福島第一原子力発電所の事故や それに伴う風評被害により、地域
経済が大きな被害を受けており、その再生と復興が急務となっております。
こうした中、本県沖では、国による浮 体式洋上風力発電の実証実験が進
められておりますが、この実証実験を 契機として、特に小名浜港周辺地区
を基軸としながら、地域経済の再生と 復興が図られるよう、次の項目につ
いて要望いたします。
① 浮体式洋上風力発電実証実験の着実な実施
② 風力発電関連産業の集積に向けた企業誘致に対する支援
③ 風力発電の研究、試験を行う拠点施設の誘致
④ 風力発電関連産業の集積・活動拠点としての小名浜港の機能強化
14
⑵ 漁業再開に向けた支援等について
小名浜港周辺地区において は、水産業 の拠点施設である魚市場等 の整備
を進めておりますが、本市の沿岸 漁業 は、福島第一原子力発電所事故に 伴
う放射性物質の影響により、操業 自粛 を余儀なくされている状況にあり ま
す。
つきましては、本市水産業 の早期の復 旧復興に向け、次の項目に ついて
要望いたします。
① 福島第一原子力発電所 から発生す る汚染水について、東京電 力㈱に
対し抜本的な対策を 求めるとともに 、 安易な海洋放出は容 認しないこ
と
② 本市の漁業関係者は、 依然として 沿岸域での操業自粛を継続 するな
ど、他の被災地域と は異なる実情を 勘 案し、今後とも本市 の水産業の
復旧・復興に向けた継続的な支援措置を講じること
③ モニタリング等により得られた知 見などを積極的に開示し、操業 再
開への全面的な助言 ・指導を実施す る ほか、根拠のない風 評が本市の
水産業の復興を阻むことのないよう万全を期すこと
⑶ 学校給食共同調理場への対応について
被災した学校給食共同調理 場の補助対 象面積につきましては、こ れまで
の要望により、本来、原形復旧面 積の みが対象となるところを、通常新 築
した場合に対象となる面積まで補 助対 象として認められることとなり、 複
数の補助事業の活用につきまして御配慮いただき感謝いたします。
しかしながら、被災した学 校給食共同 調理場を現行の衛生管理基 準を遵
守し整備する場合、相当程度規模 が大 きくなり、本市の財政負担も大き く
なることから、子どもたちに対し 安定 的に学校給食を提供するための復 旧
事業であることに鑑み、新たな財 政支 援策を講じられるよう要望いたし ま
15
⑷ 低炭素社会対応型浄化槽等集中導入事業の対象拡充について
東日本大震災復興交付金の 基幹事業で ある「低炭素社会対応型浄 化槽等
集中導入事業」につきましては、 被災 者が浄化槽を設置する際の費用の 一
部を補助し復興・再建を支援する 制度 ですが、本交付金創設前に、いち 早
く新築や建替えなどの家屋再建を 行っ た場合には、制度が適用されない 状
況となっております。
つきましては、著しい被害 を受けた地 域の円滑かつ迅速な復興の ために
活用する復興交付金の趣旨に鑑み 、被 災者の早期生活再建に対する経済 的
負担の軽減が図られるよう、本事 業の 対象を既に自力で家屋再建を行い 設
置された浄化槽まで拡充くださるよう要望いたします。
⑸ 介護保険事業に対する財政支援について
東日本大震災と東京電力福 島第一原子 力発電所事故に起因する原 子力災
害の影響により、長期にわたる避 難生 活などから、要介護等認定者が震 災
以前よりも大幅に増加している状況にあります。
本年4月1日現在の要介護等認定者数は、17,589 名であり、対前年比で
8.4%の増と、震災前3か年の平均増加率 2.5%の3倍を超えて急激に増加
し、通常では想定できない状況となっております。
この結果、本年度の介護保 険給付費は 国のワークシートにより算 定した
保険給付費を大幅に上回ることが 見込 まれており、当初予算において県 の
財政安定化基金からの貸付金を計 上す るなど、本市の介護保険財政の健 全
な運営が困難な状況になっております。
つきましては、要介護等認 定者数の増 加に伴い増嵩する介護保険 事業に
かかる保険給付費等について、被 災地 である本市の介護保険財政の逼迫 を
招くことなく、円滑かつ健全な制 度運 営ができるよう、被災地に対する 調
整交付金の優先的な配分や臨時交 付金 の創設など、特段の財政支援措置 を
16
⑹ 津波被災 地域の住民の定着促進のための震災復 興特別交付税の取扱 い
について
国は、平成 25 年2月に成立した平成 24 年度補正予算において、津波に
よる被災地域において安定的な生 活基 盤(住まい)の形成に資する施策 を
通じて、住民の定着を促し復興ま ちづ くりを推進する観点から、住宅建 築
に係る借入金の利子相当額等を補助することができるよう約 1,047 億円の
震災復興特別交付税を増額し、福島県には約 103 億円の配分がなされたと
ころであります。
補正予算を計上するにあたり、国 が示した基準は、津波により被災し、
全壊となった持ち家住宅のうち、防 災 集団移転促進事業及びがけ地近接 等
危険住宅移転事業の対象とならない 住 宅を対象として、再建に係る借入 金
の利子相当額等を補助するものであ り ますが、被災者への具体的な支援 内
容については、被災団体が地域の実 情 に応じて決定することとされてお り
ます。
本市といたしましては、津 波により被 災した住民の定着を促進し 、復興
まちづくりを推進するためには、 国が 制度設計において支援対象として い
る、全壊した持ち家住宅という基 準に 加え、大規模半壊及び半壊でやむ を
得ず解体した持ち家住宅の再建に 対し 支援を行うこと、並びに、国が制 度
設計において示した基準額(区画整理対象:163 万円、区画整理対象外 282
万円)に捉われることなく、防災 集団 移転促進事業及びがけ地近接等危 険
住宅移転事業における支援内容を 踏ま え、補助限度額の増額を行うこと が
必要であると考えていることから 、当 該見直しに伴い生じる財源不足に つ
いては、震災復興特別交付税を増 額す るなど、財政支援を講じられるよ う
17
⑺ 復興に向けた人員確保について
本市では、国による人的支 援の枠組み 等を通して、他の自治体か ら協力
をいただき、中長期派遣職員を受け入れております。
震災からの迅速かつ着実な 復旧・復興 のためには、マンパワーの 確保が
極めて重要であり、引き続き、復 興に 必要な人員を確保する必要がある こ
とから、国におかれましては、全 国市 長会等と連携を図りながら、中長 期
的な職員派遣等の人的支援を継続 され るとともに、派遣職員の受入れ等 に
係る経費については、今後も、全 額を 震災復興特別交付税により措置さ れ